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AI搭載蓄電池、制震ダンパーを搭載。ZEHの先を見据えたエネルギー自給自足のスマートハウス

2019年3月16日

ZEH、ZEH+、LCCM住宅。ゼロエネルギー住宅は進化している

お話を伺ったユートピア建設の山口さん。4人のお子さんを持つ一家の主婦の目線と、住宅販売に携わって20年のプロの視点で、電気を買わない次世代のスマートハウスについて解説いただいた

お話を伺ったユートピア建設の山口さん。4人のお子さんを持つ一家の主婦の目線と、住宅販売に携わって20年のプロの視点で、電気を買わない次世代のスマートハウスについて解説いただいた

2019年10月1日、消費税が10%へ引き上げられることが決まり、具体的に購入に向けて動いている人もいるのではないだろうか。

ここ数年で注目が集まっているネット・ゼロ・エネルギー住宅、通称ZEH(ゼッチ)は、家づくりを考えている人ならすでにご存知だろう。簡単に説明すると、家の断熱性・気密性を高め、太陽光発電で作り出したエネルギーによって、年間の消費エネルギーの収支を正味プラスマイナスゼロにする住宅のことを指す。
ZEHの基準を強化したものがZEH+。さらにその先には、建築から居住時、廃棄にいたるまで住宅の生涯CO2収支をマイナスにするLCCM住宅(ライフサイクルカーボンマイナス住宅)があり、政府はこれを最終目標として普及促進に取り組んでいる。
経済産業省が掲げる当面の目標は「2020年までにハウスメーカー等の建築する注文戸建住宅の過半数でZEHを実現すること」となっており、今後段階的に省エネ基準の引き上げが予想される。近い将来ZEHは日本の住宅のスタンダードになるだろう。

今回は、愛知県岡崎市のユートピア建設株式会社にお邪魔して、同社が展開するZEHの先を見据えた「エネルギー自給自足の家」について取締役副社長山口玲以子さんに詳しく聞いた。

電気を買う時代は終わり。自給自足で800万円~1,400万円の経済効果も見込める

【写真上】真冬日でも窓際の温度は22.5℃。トリプルガラスなので、結露もほぼないという。ちなみにモデルハウスのすぐ横は高架線路があり電車が走っているが、室内にいるとほとんど電車の音は聞こえないくらい遮音性にも優れている。<br><br>

【写真下】家じゅうの空気環境が一目でわかるモニター。どの時間帯でもほぼ20℃以上を保っている”/></a></figure>



<p>【写真上】真冬日でも窓際の温度は22.5℃。トリプルガラスなので、結露もほぼないという。ちなみにモデルハウスのすぐ横は高架線路があり電車が走っているが、室内にいるとほとんど電車の音は聞こえないくらい遮音性にも優れている。</p>



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【写真下】家じゅうの空気環境が一目でわかるモニター。どの時間帯でもほぼ20℃以上を保っている</p>



<p>まずはエネルギーの自給自足を可能にした同社の「U-Smart2020」を見学させてもらった。<br>
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風の強い冬日の取材だったが、玄関を入るとふんわり暖かい空気に包まれた。計測してみると外の気温は5.9℃だが、室温は23.2℃、壁が22°で窓は22.5℃、足元は21.3℃と室温、壁、窓、床がほぼ同じ温度となっていた。<br>
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「U-Smart2020」は、ZEHの上位基準のZEH+に位置付けられ、省エネの削減目標をクリアしたHEAT20のG2グレード(※1)を達成したスマートハウス。<br>
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「あまり知られていませんが、家の中の温度差が原因で命を落とす方は交通事故死の約4倍にものぼるという厚生労働省の調査結果が出ているんです。いわゆるヒートショックと呼ばれるものです。家は家族の健康や命を守るべきものなので、家じゅうどこにいても温度差を感じない、そういう工夫が必須だと考えます」<br>
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センサーが室内と外気の温度・湿度の差を感知。効率良く熱交換することで、熱のロスを大幅に抑える独自の換気システムにより、床暖房はなくエアコン1台で吹き抜けのある2階建ての家のすみずみまで一定の温度に保っている。さらに、窓にトリプルガラスと樹脂サッシを採用。<br>
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「真冬には室内の熱の50%以上が窓から逃げていくといわれています。つまり窓が家の性能をあげる鍵ともいえるんです」と山口さん。断熱性能を上げることで冷暖房の効率を上げ電気代を抑えているという。<br>
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冷暖房をはじめ家じゅうで使う電気は、太陽光発電で創り出した電力をダイレクトに供給するため電気代はかからない。また夜は、日中に蓄電しておいた電気が供給されるのでほぼ電気を買う必要はない。そのうえ、この蓄電池は人工知能(AI)を搭載しているため、効率よく最適化された暮らしを提案してくれるのだという。<br>
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「あらかじめ気象情報を収集し、電力需要、発電予測を分析、学習してくれる優れものです。その家庭にあった電気の使い方を自動的に選択してくれます。例えば翌日が雨の予報であれば、夜中の安い電力を家庭の蓄電池に貯めて、翌日雨で発電できなくても貯めた電気で日中の電気をまかなえるようにしてくれるんです。<br>
こうして電気を自給自足できれば20年間で約830万円、35年で約1,400万円の経済効果が見込めるんですよ」<br>
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同社の試算(※2)によると、従来通り電気を買う生活なら電気代は20年間で約480万円。一方、電気自給率100%の家で、必要な分は自分たちで使い余った電力を売れば売電収入は約350万円になる。その差は約830万円になるということだ。<br>
さらに今後この差は広がっていくと山口さんは言う。<br>
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「理由は電気料金の値上がりの可能性です。電気料金に含まれている再エネ賦課金(再生可能エネルギー発電促進賦課金)は電気料金に含まれて請求されていますが、単価が年々上がっているのです(毎年5月更新)。<br>
2012年0.22円/kWhだったものが2018年では2.90円/kWh。年額でいうと当初は1,000円くらいだったものが今では13,000円ほどになっています。今後も上がり続けることが予想され、住宅ローンを抱える人にとっては大きな負担となることが予測されます」<br>
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しかも一般的な住宅の余剰電力の買取価格は、2018年には26円/kWh、2019年には24円/kWhと毎年下がり続けている(※3)。固定買取制度スタート時の2012年は42円/kWhだったことを考えると、かなり下がっていることがわかる。<br>
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「さらに使用済核燃料再処理費用や廃炉負担金も電気料金に含まれていますが、こちらも今後上がってくる懸念があります。再エネ賦課金も再処理費用も【電気の使用量×単価】。つまり電気を使わなければ、高騰する金額に悩まずに済むということ。電気を買う時代はひと昔前の話で、電気は売買するより自分たちで作って使うという時代に突入しているんです」<br>
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※1<br>
断熱、省エネに関する関係各社、有識者で結成された民間団体(2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会)がまとめた外皮性能の指針。<br>
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※2<br>
1~20年目まで売電単価を15.4円/kw、買う電気を20,000円/月とし、21年目以降売電単価を12.1円/kw、買う電気を25,000円/月として計算(消費税10%を含む)。<br>
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※3<br>
調達区分が10kw未満の場合。2017年9月資源エネルギー庁「再生可能エネルギーの現状と本年度の調達価格等算定委員会について」資料による。</p>



<h3>停電時、家全体の電気をフルバックアップ。災害時に普段通りの生活が可能に</h3>



<figure class=【写真上】IHクッキングヒーターなどの200V機器にも対応できる9.8kWhの蓄電池システム。深夜電力から充電するのではなく太陽光発電システムからの直接充電が可能だ。<br><br>【写真下】屋外に取り付けられた非常用コンセント。非常時には近所で停電している家に電気をシェアすることができる”/></a></figure>



<p>【写真上】IHクッキングヒーターなどの200V機器にも対応できる9.8kWhの蓄電池システム。深夜電力から充電するのではなく太陽光発電システムからの直接充電が可能だ。</p>



<p>【写真下】屋外に取り付けられた非常用コンセント。非常時には近所で停電している家に電気をシェアすることができる</p>



<p>さて次は「U-Smart2020」の防災住宅としての特徴にフォーカスしてみよう。<br>
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「最大規模」といわれる台風がたびたび上陸し、台風21号、24号では数日にわたり停電が続いたエリアもあった2018年。昨今の異常気象の頻発を考えると、停電時に自家発電ができることを条件にしている人もいるのではないだろうか。<br>
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従来の一般的な太陽光発電システムの場合、停電時に出力が不安定になったり出力できる電力量に上限があるといった理由で、使える家電が限られてしまったり、一定の場所でしか電源を確保できないといった不便さがあった。<br>
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それを解消したのが「U-Smart2020」の蓄電システムだという。停電を感知すると自動的に自家発電に切り替わる。<br>
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「この蓄電池は、日中に蓄えられる電気が最大9.8kWhと大容量で、停電時、家全体の電力をバックアップすることができます。200V機器にも対応しているのでエアコンやIHクッキングヒーターなど消費電力の大きい機器を使うこともが可能で、災害時に冷暖房も使えて料理や入浴もできます。不安な時に普段通りの生活が送れることは大きな安心感につながりますよね。<br>
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4人家族だと、だいたい日中の電気消費が5kWh、夜が8kWhくらい。家全体の電気が使えるとはいえ非常時は家族でひとつの部屋に集まっていることや、普段より節電することを想定すると、2日間くらいは蓄電池に蓄えた電気でしのげると思います」<br>
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さらにEES(エマージェンシー・エネルギー・シェルター)住宅としての機能も備えている。施主の任意にはなるが、屋外に非常用コンセントを設置し、地震、台風などの非常時に近所で停電している家庭に蓄電している電気を分け与えることができる「地域助け合い住宅」である。全国的にもEES住宅の普及に力を入れるハウスメーカーは増えている。</p>



<h3>微小な揺れから吸収し始める高性能制震ダンパーで地震に備える</h3>



<p>防災といってもうひとつ浮かぶのが地震に対する備えだ。<br>
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同社が取り入れた、制震ダンパーに注目したい。<br>
世界有数の自動車メーカーが採用するビルシュタイン社製の制震ダンパー「evoltz(エヴォルツ)」を使用。従来の制震ダンパーが30mmの揺れから効き始めるのに対して、こちらは3mmの揺れから吸収してくれるという。<br>
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「3.11の地震では大きな揺れが数回、震度5クラスの余震が数十回、震度4で数百回、震度3以下の揺れは2,000回も起きたと知って、今までの通常の制震ダンパーでは家を守ることは難しいと感じました。<br>
15mmの揺れで下地の耐力が下がり始めます。25mmの揺れでは外壁の構造用合板がダメージを受け始め、家の強度が落ちていきます。30mmの揺れが起きた場合、筋交いを破損する危険性が出てきます。<br>
地震の衝撃をいち早く察知し、建物の損傷が始まる前に揺れを吸収し始めてくれる制震ダンパーはないかと探し回ってたどり着いたのがビルシュタイン製のevoltz(エヴォルツ)です」<br>
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家の構造計算をして必要な個所に設置。山口さんによると35坪くらいの家で約6本の制震ダンパーが設置されるという。<br>
30年以内に70~80%の確率で起きるといわれている「南海トラフ巨大地震」。その前に北海道胆振東部地震や大阪北部地震などが起き、今後どこで起こってもおかしくはない。建てた後では付け足すことができないものだけに、しっかり考えてみたいところだ。</p>



<figure class=【写真左】高級車にも使用される制震ダンパーを住宅用に改良した「evoltz」。シャフトが伸び縮みして揺れを減衰する。構造計算を基に最適箇所に配置。新築だけでなくリフォーム物件にも対応可能だ<br><br>【写真右上】南海トラフ大地震が発生した場合、理論上最大規模の想定では岡崎市はすべてのエリアが震度5以上と予想される。岡崎市だけでなく日本全国どこにいても地震には最大限の備えをしたい(資料提供・ユートピア建設)<br><br>【写真右下】「住宅にとって15mmの傾きが生命線」と山口さん。「evoltz」は、揺れによる構造部材の損傷が始まる前に制震性能を発揮してくれるという”/></a></figure>



<p>【写真左】高級車にも使用される制震ダンパーを住宅用に改良した「evoltz」。シャフトが伸び縮みして揺れを減衰する。構造計算を基に最適箇所に配置。新築だけでなくリフォーム物件にも対応可能だ</p>



<p>【写真右上】南海トラフ大地震が発生した場合、理論上最大規模の想定では岡崎市はすべてのエリアが震度5以上と予想される。岡崎市だけでなく日本全国どこにいても地震には最大限の備えをしたい(資料提供・ユートピア建設)</p>



<p>【写真右下】「住宅にとって15mmの傾きが生命線」と山口さん。「evoltz」は、揺れによる構造部材の損傷が始まる前に制震性能を発揮してくれるという</p>



<h3>HEMS、AI、VPPと大きな転換期を迎える住宅業界</h3>



<p>携帯のアプリを使って使用電力を「見える化」し、省エネを徹底したり、外出先からお風呂を沸かしたりと自宅の家電と連携して家じゅうのエネルギーをコントロールすることができるHEMS(エネルギーマネジメントシステム)も標準仕様。こうしたシステムやAIの進化によって、家づくりは大きく変化している。<br>
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「U-Smart2020」はHEMSを活用し、VPP(バーチャルパワープラント・仮想発電所)として機能させることも視野にいれているという。VPPとは、家庭や企業に点在する蓄電池などの小規模設備をIoTを使って統合、制御することで1つの発電所のように機能させようという試み。効率的なエネルギーの供給、電気の質の安定、経済的なメリットがあるという。<br>
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「20年住宅業界に携わっていますがここ2、3年でこれまでにない大きな転換期を迎えているなと感じています。VPPによってエネルギーの地産地消が各地で実現されれば、日本のエネルギーシステムはさらに大幅な変化を遂げると思います」と山口さん。<br>
さらに、「これからの住宅販売は、ただ家を売るというだけでなく、再生可能エネルギーを使ってどのように地域に貢献できるかということも考えていくべき」と話してくれた。<br>
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当然、さまざまなシステムを採用するには初期投資が必要となってくるので、そのあたりは予算と相談になるだろうが、新築の段階で導入を決めておいたほうがいいこともある。<br>
長期的に見た光熱費、家族が健康で過ごせる室内環境、耐震性能、将来的な資産価値、それらを含めて総合的に判断し、後悔しない家づくりをしたいものだ。<br>
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取材協力・写真提供/ユートピア建設<br>
<a href=https://www.utopia777.co.jp/

VPPのイメージ(経産省資源エネルギー庁HPより)。<br>家庭の小さなリソースを束ねるリソースアグリゲーターとして機能し地域に貢献しようというのがユートピア建設が掲げている目標。電力の無駄を省いたり電力不足時の供給機能として期待が寄せられているVPPはどのように発展していくのかにも注目したい”/></a></figure>



<p>VPPのイメージ(経産省資源エネルギー庁HPより)。<br>家庭の小さなリソースを束ねるリソースアグリゲーターとして機能し地域に貢献しようというのがユートピア建設が掲げている目標。電力の無駄を省いたり電力不足時の供給機能として期待が寄せられているVPPはどのように発展していくのかにも注目したい</p>
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