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<原発のない国へ 世界潮流を聞く> (2)再エネに送電線開放を

2018年4月16日

◆国際再生可能エネルギー機関センター長・ドルフ・ギーレン氏

 -なぜ各国で再生可能エネルギーが拡大しているのか。

 「再生エネをつくる費用が急低下している。手作業で太陽光パネルを作っていたのが、高度に自動化された大規模工場でパネルを生産するようになった。私たちは世界の太陽光電力の平均入札価格を細かく調べているが、七年前に一キロワット時当たり三十六セント(三十八円)だったのがいまは三分の一以下の十セントに下がり、二〇一九年には三セント(三円)まで下がるのが確実だ。五〇年には再生エネが世界全体の発電に占める割合は八割まで上昇する可能性がある」

 -再生エネが増えているのは地球温暖化対策のためか。

 「十年前までは地球温暖化対策のため補助金で再生エネを増やそうとしていたが、いまや太陽光は火力など従来電源より安くなりつつあり、みんなが使いたがるので大量生産効果でもっと安くなる好循環に入っている。風力も羽根が巨大化し一基当たりの発電量が増え、費用低下している」

 -日本の現状をどう分析する。

 「太陽光は増えているが費用が高い。昨年から入札を導入した大規模太陽光でさえ、買い取り価格は一キロワット時当たり十七円と国際水準の倍。チリなどでは二円、欧州でも六円というのに」

 -なぜ高いのか。

 「台風対策や規制で設置費用が高くなっている。さらに日本では停止している原発のために送電線を空けたままにしている問題もあり、これが再生エネと設備の大量生産を妨げコスト削減の壁になっている。送電線を再生エネに開放することを検討してよい」

 -原発の将来性は。

 「私は原発の専門家ではないが、欧米の原発の新設案件はどれも工期は遅れ、当初予算をオーバーしてしまっている。福島第一原発事故後の安全規制強化も大きな要因。英国で計画中の原発、ヒンクリーポイントCの発電価格は洋上風力より高くなる見通しだ。こうしたリスクを担える民間企業はない。政府が(税金などで)負担するかは国民の判断にかかってくる」

 -日本では再生エネは不安定といわれる。

 「電気の五割超を再生エネで賄うドイツの電力会社もあるが、問題は起きていない。私たちは再生エネを『不安定』と否定的に呼ぶのではなく『変動的』と呼ぶ。太陽光や風力は天候に左右され変動的だが、水力や地熱、バイオマスなどの再生エネは火力同様、必要に応じて切ったり入れたりできる。これらの電源を柔軟に組み合わせ、蓄電池も使えば、電力を安定供給できる時代に入っている」

 (伊藤弘喜、池尾伸一)

<国際再生可能エネルギー機関(IRENA)> 2011年発足。アラブ首長国連邦アブダビに本部。世界の再生エネ利用状況を分析。各国に拡大策も助言。ドルフ・ギーレン氏はオランダ出身。エネルギー工学博士。IRENAの技術支援部門イノベーション・テクノロジーセンターのトップ。

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