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蓄電池関連スタートアップ革新機構など約6億円出資

2017年11月15日

太陽光や風力など発電量が不安定な再生可能エネルギーの普及には蓄電池が欠かせない。蓄電池の製造コストを大幅に引き下げる技術を持つスタートアップ企業が福岡県久留米市にある。社名はLEシステム。産業革新機構は14日、他の投資家と共同で同社に5億8000万円の出資を決めた。

14日、産業革新機構の投資決定を受け記者会見するLEシステムの佐藤社長(右)(東京都千代田区)

「4年がかりで出資にこぎつけた。大きな資本の獲得でステップアップにつながる」。LEシステムの佐藤純一社長は記者会見でこう述べた。このほど革新機構とQBキャピタル(福岡市)などを引受先とする第三者割当増資を実施、資本金(準備金含む)は11億円強に増えた。

LEシステムが開発した小型レドックスフロー電池の実験機

2011年創業の同社は「レドックスフロー電池」と呼ばれる大容量蓄電池向けの電解液を製造する。レアメタルの一種であるバナジウムを回収し、電解液を従来の半分以下のコストで製造する技術を持つ。電解液は電池の製造コストの35%を占めており、これを安くすることでレドックスフロー電池の普及を狙う。

再生エネルギーで発電した電気を貯蔵する蓄電池には、リチウムイオン電池や日本ガイシが手掛けるNAS電池が知られる。レドックスフロー電池は耐久性や安全性に優れるが、他の電池に比べて発電コストが高いのが課題だった。革新機構の浜辺哲也専務取締役は「20年以上の長期の安定稼働ができるうえ、リチウムイオンに比べて発火の危険性がない」と話し、蓄電池としてレドックスフローの優位性を強調する。

LEシステムは金属を回収する技術に磨きをかけ、国内外で複数の特許を取得しているほか、久留米の本社では電池セルを設計・試作する。今回の調達資金で18年に山口県に電解液製造のマザー工場を建設する。さらに19年には福島県浪江町に量産工場を立ち上げる計画だ。マザー工場が稼働すれば「年間5億円程度の売り上げが安定的に見込める」(佐藤社長)という。

福島での総投資額は15億~18億円を見込んでいる。投資額の3分の2~4分の3の金額は地元自治体からの補助金で賄う予定だ。革新機構の浜辺専務は「浪江町は原発事故の除染が終わり、被災者が帰れるようになった。地元に雇用をつくり、福島の復興に大きく貢献できる」ことも投資を決めた理由と説明した。

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