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物流施設に屋根上太陽光、自家消費と蓄電池でBCP強化

2018年5月8日

初めて自家消費型を採用

埼玉県・東武東上線の和光市駅から北に向かってクルマで10分ほど、東京外環自動車道の和光北インターに隣接した好位置に地上5階建ての真新しい大型物流施設が見えてくる。SGリアルティ(京都市)が3月1日に竣工した「SGリアルティ和光」である(図1)。

図1●大型物流施設「SGリアルティ和光」の外観
(出所:SGリアルティ)
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同社はSGホールディンググループで不動産の賃貸・管理・開発事業を展開する。全国に約300件の物流施設を保有し、その約3分の1に当たる98件の屋根上に太陽光発電システムを設置してきた。「SGリアルティ和光」の折板屋根にも862.38kWの太陽光パネルを載せた(図2)。

図2●屋根上に自家消費型太陽光を設置した
(出所:SGリアルティ)
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同社がこれまで物流施設に設置してきた屋根上太陽光は、固定価格買取制度(FIT)を使って全量を売電してきた。しかし、99件目にあたる「SGリアルティ和光」では、初めて発電電力を自家消費する方式を採用した。PCSからの電力はキュービクルで6.6kVに昇圧して、構内系統に接続している。

BCP対応力を強化

太陽光パネルは京セラ製の単結晶シリコン型で、出力270W/枚の製品を3194枚設置した(図3)。PCSには、東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製を採用した(図4)。

図3●屋根上に載せた862.38kWの京セラ製の太陽光パネル
(出所:SGリアルティ)
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図4●東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製の定格出力750kWのPCS
(出所:日経BP)
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自社の需要施設内に太陽光発電設備を設置した場合、FIT開始から数年間、売電単価30円台/kWhの認定が取得できた時期には、ほとんどの企業が経済性を重視して全量を売電していた。だが、売電単価が20円台/kWhに下がってきたなか、自家消費型を採用して受電量のピークカット効果や環境価値のアピールに活用する例も出てきた。

和光市の施設で、SGリアルティが自家消費型を採用したのも、こうした流れにある。加えて、同社は、自家消費型を採用した理由に関し、「BCP(事業継承計画)対応を高めるため」と、資産運用部CM課の秋元浩司課長は言う。

平常時は、自家消費を基本に不足分は東京電力の商用電力で補う。加えて、緊急時に系統が停電した場合、一部の太陽光パネルが発電を継続しつつ、雨天や夜間にも非常用電源を提供する。

非常時は自動的に自立運転モードに

「SGリアルティ和光」では、自立モード機能付きPCSと蓄電池を併設することで、こうした非常時の運転を可能にした。TMEIC製の750kW機に加え、自立運転機能のあるGSユアサ製の50kW機と容量33.6kWhの鉛蓄電池も併設した(図5)(図6)。

図5●33.6kWhの鉛蓄電池と定格出力50kWのPCS
(出所:日経BP)
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図6●PCSと蓄電池を収納した筐体
(出所:日経BP)
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現在、SGリアルティ和光には入居が始まっているが、まだ満室ではなく、テナントを募集している。将来的に全室がテナントで埋まれば、空調や照明などを合計した需要を1800kW(1.8MW)と想定している。フル稼働時には、太陽光パネルが発電した電力はほぼ全量が自家消費されると見込んでいる。

東京電力とは高圧受電契約をしており、太陽光の供給量で足りない分を購入する。休日など低負荷時には、余剰分を系統網に逆潮流し、FITを活用して売電している。通常、FITによる「余剰売電」は10kW以下の住宅太陽光が対象で、今回のようなケースは珍しい。固定価格での買取期間は20年で、売電単価は未公開だが、20数円/kWhと見られる。

夜間や雨天でも8時間は供給

系統網の停電など非常時には、50kW機のPCSが、自立運転モードに切り替わる。系統網からの受電電力を監視して停電を感知すると自動的に切り換わり、復旧するとこれも自動で通常モードに戻るという。

非常時の自立運伝モードでは、防災センター、帰宅困難者向けのラウンジ、廊下、トイレなどに電力を供給する(図7)(図8)。非常用コンセントも装備し、テレビや携帯電話の充電に使うことを想定している。防災センターには、放送設備、消防設備、入退室管理システム、集中管理機能などが備えられている。

図7●非常時モードで電気を供給する防災センター
(出所:日経BP)
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図8●非常時モードで電気を供給するラウンジ
(出所:SGリアルティ)
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鉛蓄電池には、GSユアサ製の容量33.6kWhの製品を設置した。雨天時や夜でも鉛蓄電池から、約8時間は照明や情報機器などに電力を供給できるとしている。そのため、蓄電池は通常時は使わずに、常にフル充電の状態にして非常時に備えている。

「投資回収は10年以下」

大規模な屋根上太陽光の場合、通常、PCSは、建物横の地上に設置することが多いが、今回は、太陽光パネルを設置した屋根の一部にスペースがあり、そこに据え付けた(図9)。このスペースは、テナントが空調を導入する場合に室外機などを設置することも想定している。

図9●パネルに隣接して屋上の一部にPCSなどを収納した筐体を設置
(出所:日経BP)
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同施設の設計にあたっては、当初から太陽光パネルの屋根への設置を見込んで、「基本設計段階から20kg/m2の荷重に耐える構造にした」(秋元課長)という。EPC(設計・調達・施工)サービスは、きんでんが担当した。

屋根の素材はガルバニウム鋼板で、工法は鋼板を2重にして断面を山形状にした折板屋根方式である。ロール成形機を屋根上にもちこんで、成形しながら1枚につき3つの山ができるようにシームレスに施工した。ロールの長さは90mに達したという。

2枚の鋼板の間には断熱材を入れて、遮熱性を高めている。隣り合う折板の接合部は折り曲げて突起(ハゼ)を形成しており、そのハゼの部分に挟み込む形で太陽光のフレームをボルト締めにより固定している(図10)。

図10●太陽光パネルのフレームを折板屋根のハゼに固定
(出所:日経BP)
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今回の太陽光発電システムは自家消費型で蓄電池を併設したが、同社は補助金を申請していない。太陽光発電・蓄電設備への投資に対する同社の収入は、テナントからの電気料金と余剰分の売電収入である。それでも、「投資回収期間は約10年以下と見込んでいる」(秋元課長)としている。

今後同社は、「BCP対応の価値に対するテナントの反応なども見ながら、SGリアルティの他の施設への展開を考えていきたい」(秋元課長)考えだ。

 

 

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