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東大、充電ごとに自己修復する電極材、蓄電池を長寿命化

2019年5月17日

東京大学は5月16日、電力を蓄えることで安定な構造に変化する「自己修復能力」を持つ電極材料を発見した。充電するごとに自己修復を繰り返すため性能が落ちないことから、充電が可能な蓄電池の長寿命化につながると期待される。

蓄電池は電極材料からイオンが脱離することで電力貯蔵が行われ、より多くのイオンを電極材料から脱離させると多くの電力を貯蔵できる。しかし、一般に利用される電極材料は、多くのイオンを脱離すると不安定になって構造が変化(破壊)し、性能が大幅に劣化することが知られている。

今回、電極材料Na2MO3(今回はM=Ru)を充電(ナトリウムイオンが脱離)すると積層欠陥と呼ばれる構造の乱れが徐々に消失し、完全に充電すると全く構造の乱れがない状態まで自己修復されることを見出した。また、この自発的な自己修復は、充電と放電を繰り返した後にも生じることが分かった。

充電過程における構造変化を放射光X回析で詳細に調べたところ、ナトリウムイオンが脱離した後に生じる空孔と構造中に残存するナトリウムイオンとの間で強いクーロン引力が生まれることが重要な役割を果たしていることがわかった。イオンと空孔が強く引き合うことで、乱れのない構造へと自発的に変化していた。

今回の研究成果は、5月16日付の英国学術誌「Nature Communications」電子版に掲載された。また、研究成果の一部は、日本学術振興会科学研究費補助金特別推進研究(No.15H05701)による支援を受けた。

 

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