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東北大ら、仙台市浄水場に太陽光・水素エネルギー貯蔵システム

2017年9月2日

東北大学と前川製作所は、仙台市の茂庭浄水場に「電力・水素複合エネルギー貯蔵システム」を構築し、2017年8月から実証運転を開始した。NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の水素社会構築技術開発事業の一環である。太陽光発電(出力20kW)の余剰電力で水を電気分解し、発生した水素を貯蔵しておき、必要に応じて燃料電池(出力15kW)で再発電する仕組みである(図1)。

図1 仙台市茂庭浄水場に設置された電力・水素複合エネルギー貯蔵システム

このシステムには大きく二つの役割がある。一つは太陽電池パネルの1日の出力変動を平準化するという役割。太陽電池パネルの出力曲線は、日照条件だけで決まり、浄水場の電力消費量(デマンド曲線)と一致しない。そのギャップを埋めてエネルギーを有効活用する。

ピークシフトに有効

例えば、浄水場には「水ろ過用砂洗浄」という作業がある。電力負荷が大きいので現状は夜間電力を使って実施しているが、本来は昼に実施したい作業なのだという。水素・燃料電池系システムがあれば、蓄積した水素を使って任意の時間帯に燃料電池で発電できるので、作業を昼に移行すること(ピークシフト)も可能になる。

ただし、水素・燃料電池系システムには、応答性やエネルギー変換効率が悪いという課題がある。とくに、エネルギー変換効率は非常に低い。太陽電池パネルの出力を100としたとき、水の電気分解後に73、水素ガスの圧縮後に67、燃料電池による発電後には29まで下がるというデータがある。つまり、7割方はエネルギーロスとなる。

そのため、今回の実証実験システムでは電気二重層キャパシター(15kW、200kJ、日本ケミコン製)を使った電力貯蔵装置を併設した。日照変化による短時間の出力変動補償に使う。比較的長時間の出力変動には水素・燃料電池システム、短時間(短周期)の変動にはキャパシター、という2段構えである(図2)。

図2 システム構成図

システム全体の各構成要素は380Vの直流バスで連結され、出力予測技術を使ってリアルタイムの入出力制御を行う(図3)。キャパシターや2次電池のみを使ったエネルギー貯蔵システムに比べ、水電解装置や燃料電池がある分、制御は複雑である。ちなみに現在は実証実験のため浄水場設備には連結せず、20kWの模擬負荷をつないでいる。

図3 システム全体のリアルタイム・モニター画面

絶対に止まらず浄水場を守る

このシステムのもう一つの重要な役割は、災害などによって長時間の停電が発生したときのバックアップ電源機能である。通常、浄水場などの重要施設には非常用自家発電装置が備えられているが、燃料の劣化や発電機の動作不良、容量不足などの問題があって、信頼性が十分高いとは言えない。またバックアップ発電中に燃料が足りなくなることもあるが、災害時には燃料の調達が困難である。

東日本大震災の際に仙台市では地域によっては停電が4日間に及んだ。そのときの苦い経験をもとに、今回のシステムは設計された。どのような災害が来ても絶対に止まらず、浄水場を守ることのできる再生可能エネルギー電源が目標である。開発に当たった東北大学大学院工学研究科の津田理教授(電気エネルギーシステム専攻)は「余剰の電気エネルギーを水素ガス(または液体水素)として保存するこのシステムでは、水素タンクの容量を増やすだけで長期間のバックアップ電源が実現できる。一方、エネルギー貯蔵にLiイオン電池などを使うと、電池の容量が膨大になり初期コストが非常に高くなる」という。

今回構築した実証実験用システムは、この浄水場に必要な実規模システムの50分の1のスケールモデルである。実規模システムでは、太陽電池の出力は1MW、水電解装置は1.2MW、燃料電池は700kW、水素は液体水素として24kLのタンクに貯蔵することを想定している(電気二重層キャパシターは480kW)。この仕様で、3日間、浄水場が稼働できるという。

太陽電池パネルを大きくすれば、3日とは言わず永続的に電力を供給できる「独立電源」化も不可能ではない。電力系統や石油燃料系から独立した再生可能エネルギーのみによるオフグリッド電源システムである。津田教授らは、太陽電池の出力を2.7MWまで増やせば可能だと試算している。東北地方は冬の日射量が少ないため、これだけの大きさが必要になるとのこと。夏季には大量の余剰電力を発生してしまうことになるが、そのときは電力または水素燃料として外部に供給することになるのだろう。

 

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