2019年10月18日
スマートソーラー(東京都中央区)は10月11日、台風15号により一帯がすべて停電した千葉県鋸南町の鋸南小学校で、同社が設置した自家消費型蓄電池付太陽光発電システムが停電時の非常電源として活躍したと報告した。被災した学校施設を片付ける際の掃除機の電源や、携帯電話の充電などに活用されたという。
このシステムは、太陽電池モジュール(合計30kW)で発電した電力を、直流(DC)のまま蓄電するDCリンク方式により、蓄電池(合計32kWh)に充電する。その直流電力は、パワコン(合計31kW)により交流電力に変換し、学校内の特定負荷に電力を供給している。
台風15号は、9月9日午前5時頃、千葉県千葉市付近に上陸した。この台風による影響で、東京電力管内で約93万戸が停電し、千葉県内では大規模停電が長期化した。
鋸南小学校では、この台風により、窓ガラスが割れ、廊下は水浸しになり、教室に貼られていた生徒たちの作品などもほとんどが飛び散ったという。また、近隣の瓦片の飛来により、2枚の太陽光発電パネルが割れた。
9月9日は台風の被害により、同小学校へのアクセスが不通となったが、翌10日、同社O&M(運用・保守点検)チームが現場入りし、状況の確認と点検を行った。一帯はすべて停電していた。11日、2枚の割れた太陽光発電パネルを交換した。
同小学校の樋口校長と秋山教頭は、当時の現場の状況を振り返り、「蓄電池付の太陽光発電システムにより電力が使えることは理解していたので、教室や廊下に飛び散ったガラスの破片などを掃除機で綺麗にできたのはとても助かった。今後、防災という観点でも太陽光発電システムと蓄電池は重要になると思う」、「学校に避難してくる人も多いので最低限の生活を確保してあげるためにも、電気が使える状況にしておく必要がある。たくさんの電力は使えなかったが、少量だけでも大変助かった」とそれぞれコメントしている。
同社は、避難場所に「蓄電池付太陽光発電」があることの重要性を再認識したとレポートしている。
この蓄電池付太陽光発電システムは、スマートソーラーが2010年4月に、文部科学省のスクール・ニューディール事業で設置したものだ。
2010年4月に設置されたシステム1は、太陽電池モジュール(合計20kW)、パワコン(22kW)、蓄電池(16kWh)だった。その翌年に起きた東日本大震災時に活躍し、その教訓から2013年に、システム2として、太陽電池モジュール(合計10kW)、パワコン(10kW)、蓄電池(16kWh)が追加された。
文部科学省は2018年12月に、2018年5月1日時点での公立の小中学校における、太陽光発電や風力発電など、再生可能エネルギー設備の設置状況の調査結果を公表している。それによると、太陽光発電設備の設置率は31.0%(前回調査から6.4ポイント増)、設置されている再生可能エネルギー設備などのうち、停電時でも使用可能な機能を有している設備の割合は、58.6%(前回調査から14.1ポイント増)となっている。
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