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厚さ1mm、極薄の太陽光発電シート 大震災で活躍後さらなる進化

2020年3月26日

ソーラーシートチャージャーを持つオーエスエムの奥村正之社長(左端)ら。中央が売れ筋サイズ=宍粟市山崎町梯

ソーラーシートチャージャーを持つオーエスエムの奥村正之社長(左端)ら。中央が売れ筋サイズ=宍粟市山崎町梯

東日本大震災の被災地に送った製品(提供写真)

東日本大震災の被災地に送った製品(提供写真)

東日本大震災で大規模停電した際、被災者に喜ばれた兵庫県発の防災用品が進化を続けている。業務用の映像、音響製品を主力とするオーエスエム(兵庫県宍粟市)が開発した太陽光充電器「ソーラーシートチャージャー」だ。1ミリの厚さで小さく巻いて持ち運べ、送電が途絶えた場所で夜間も携帯電話などに充電できる。バッテリーを小型化し、10分の1以下の軽さにするなど改良。海外市場も視野に入れる。(大島光貴)

同社は、映写用スクリーンの国内最大手オーエスグループ(大阪市)の開発製造会社で、2005年に宍粟市に進出した。従業員約70人、年商約18億円。チャージャーの製品化は、08年にある国内メーカーから依頼されたのがきっかけで、「巻く技術」を生かして開発を進めた。

11年1月に発売した初期型は、バッテリーを積んだ箱形の本体に、シリコン製の太陽光発電シートを巻いて収める構造だった。必要に応じて引き出して使うことができた。

同年3月、東日本大震災が発生。同社は宮城、岩手、福島の被災地に計約500台を無償で送った。避難所生活で役立ち、「真っ暗な夜間にトイレに行けた」「携帯で連絡が取れるようになった」などと重宝された。宮城県知事から感謝状が届いた上、テレビ番組で紹介されて一気に売れた。

課題の一つは、全体で約3キロあった重さだった。改良を続け、バッテリーを小型化。シートを取り外し可能にして機動力を高めたほか、夜間の照明用として発光ダイオード(LED)の電灯を組み込んだ。

18年にはさらに、シートから直接給電できるようにした製品を売りだした。売れ筋は、広げると長さ約90センチ、幅25センチのタイプ。重さは240グラムで、片手で持てる大きさに巻ける。晴天時にスマートフォンの充電が約2時間で終わるという。税別1万300円。オーエスグループの直販サイトで販売している。

現在、用途の拡大を図っている。その一つが、柱にソーラーシートを巻き付けた街灯だ。昼間に発電し、夜間に点灯する。電線が不要となり、海外の無電化地域で需要が見込める。宍粟市内の公園に設置したほか、アフリカにも出荷した。無線LANのWi-Fi(ワイファイ)や録画カメラも取り付ける計画で、河川水位などの遠隔監視にも使えるようにする。

オーエスエムの太陽光発電製品の販売実績はチャージャーを含め9年間で約2万2千台といい、奥村正之社長(56)は「災害発生後に必要とされた。備えにつながる製品も供給したい」と話している。

 

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