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使えなかった“赤外域の太陽光”で水素製造、京大らが世界記録の新触媒

2019年2月7日

地上に届くものの、これまでエネルギーとしての利用が難しかった波長の長い赤外域の太陽光。京都大学らの研究グループがこの赤外域の太陽光で水素を製造できる新しい触媒を開発した。革新的なエネルギー材料の開発につながる期待があるという。

2019年02月06日 07時00分 公開[スマートジャパン]

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 京都大学、豊田工業大学、関西学院大学、立命館大学、物質・材料研究機構らの研究グループは2019年2月、白金を担持した硫化銅/硫化カドミウムヘテロ構造ナノ粒子が、赤外光(赤外線)から水素を生成できる光触媒であることを発見したと発表した。波長1100nm(ナノメートル)の赤外光を利用して効率3.8%で水素を製造でき、これは世界最高効率という。これまで利用できなかった太陽光の赤外域を活用できる新たなエネルギー変換材料の開発につながる成果としている。

 波長の長い赤外域は、4割以上と太陽エネルギーの多くを占めるものの、エネルギーとして有効利用する技術は確立されていない。そのため、もし太陽光の赤外域をエネルギーとして利用できれば「現代社会に眠る新たなエネルギー資源の発見に相当する」(研究グループ)という。現在の太陽光の利用に関する研究は可視光を対象としており、エネルギーの利用という意味では植物などが行う光合成と競合する。しかし、赤外域は競合しないため、真に自然と共存したエネルギー変換を実現できるメリットがあるとしている。

開発した粒子の透過型電子顕微鏡画像 出典:京都大学

 研究グループは今回、赤外光のエネルギー変換においてキーになるとされている「局在表面プラズモン共鳴(LSRP)」を示す硫化銅と、硫化カドミウムナノ粒子を連結させた構造を有するヘテロ構造ナノ粒子を合成。水素生成における光触媒としての活性を評価した。

 その結果、1100nmの赤外光を利用して、これまで報告されている赤外応答触媒の中で最も高いという3.8%の変換効率を記録した。さらにこの粒子は、太陽光の中でもっとも長い波長である2500nmにも反応し、水素を生成できたという。これはつまり、地表に到達する赤外域の太陽光を余すことなく活用できることを意味する。

 研究グループは今回の研究成果について、赤外域の光を用いた光エネルギー変換材料、例えば赤外応答光触媒や赤外光電変換材料といった革新的なエネルギー材料の開発につながることが期待されるとしている。今後は、触媒のさらなる性能向上とともに、触媒反応の多様化、赤外光によるエネルギー変換機構の詳細な解明を進める予定だ。

 

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