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三重で特高メガソーラーを相次ぎ稼働、「統括事業所」による管理を模索

2018年5月30日

三重県志摩市に、特別高圧送電線に連系する二つのメガソーラー(大規模太陽光発電所)が、2017年に商業運転を開始した。出力は約13MWと約14MWとなる(図1)。

図1●特別高圧送電線に連系する二つのメガソーラーを稼働
画像は志摩市磯部⽳川メガソーラー発電所(出所:日経BP)

 いずれも、三重交通グループホールディングスの事業会社である三交不動産(津市)が開発・運営している。

同社は、地元の三重県において、多くの太陽光発電所を開発・運営している。自社やグループ企業の所有地のほか、地元でつながりのある企業が所有する遊休地などを活用し、地の利があり、手の届く範囲で開発や運営を手がけている点に特徴がある。現在、稼働済みの発電所は26カ所・合計出力約74MWに拡大している。

もう一つの特徴は、EPC(設計・調達・施工)サービスの委託先、採用する太陽光パネルやパワーコンディショナー(PCS)のメーカーをほぼ統一し、自社が強く信頼する企業の組み合わせで固めていることである。

これまで開発・運営しているメガソーラーのほとんどで、EPCサービスは千代田化工建設が担当し、太陽光パネルはソーラーフロンティア製、PCSは東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製を継続して採用している。

一部、EPCサービスで大林道路と早水電機工業(神戸市長田区)による共同事業体が担当したり、PCSは台湾のデルタ電子製を採用した例がある。この場合でも、太陽光パネルはソーラーフロンティア製で共通している。

太陽光発電所の建設では、開発期間が比較的短いこともあり、当初は高圧配電線に連系する2MW前後の発電所の稼働が相次いだ。伊勢市二見町光の街の3カ所・合計出力約8.6MW(2013年4月以降、順次稼働開始:関連コラム)、津市栗真町屋町の出力約4.5MW(2015年10月稼働:関連コラム)などである。

開発案件の中には、特別高圧送電線に連系する発電所もある。しかし、連系協議や開発に比較的長い期間を要するため、着工や稼働は高圧案件に比べると遅くなりがちだ。

最初に稼働した特高連系の案件は、松阪市山室町にある出力約15MWだった(関連コラム)。2015年12月に売電を開始した。

特高案件で、次に稼働したのが志摩市に立地する2カ所となる。2017年2月、志摩市磯部町に稼働した出力約14MWの「志摩市磯部⽳川メガソーラー発電所」と、2017年12月、志摩市阿児町に稼働した約13MWの「志摩市阿児立神メガソーラー発電所」である。

これだけ多くのメガソーラーを、ほぼ三重県内のみで運営していることから、O&M(運用・保守)でも、自前で手の込んだ管理も可能となる。

メガソーラーのO&Mで大きな課題の一つとなっている除草では、乗用型の草刈機を多く活用し、効率化している。小型4輪の草刈機を使い、ゴーカートを運転するように、敷地内を回ることで、雑草のほとんどを刈る手法で、重労働である草刈りの身体的な負担を減らした上、作業時間を大幅に短縮した(図2関連コラム)。

図2●乗用型草刈機で運営の負担を軽減
(出所:日経BP)

 敷地内の巡回には、立ち乗り電動二輪車「セグウェイ」も採用している(関連コラム)。これも、歩行の負担を減らした上、巡回時間を短縮できる。

これらの手法は、例えば、1カ所のメガソーラーを運営するためだけに導入しても、一定の効果は得られるものの、近隣地域の複数のメガソーラーにおいて、定期的に使い回していく方が、より効果が高まる。

こうした運営効率の向上と最適な管理の両立に取り組む一環として、特高案件の電気保安管理業務について、模索している管理手法がある。

三重で特高案件が5カ所に、「統括事業所」を模索

同社では現在、松阪市の1カ所と、今回の志摩市の2カ所で、特高案件を運営している。今後、さらに2カ所の特高案件が稼働する予定となっている。

特高案件では、専任の「第2種電気主任技術者」による保安が必要になる。特高連系の知識と実務を経験した「第2種」の電気主任技術者は、電力会社のOBや、企業の工場などで電気保安管理業務に携わってきた技術者など、資格保持者が限られている。特高案件の開発では、「第2種」資格所有者の確保に苦労することが多い。

三交不動産では、稼働中の特高案件3カ所については、当然ながら「第2種」の電気主任技術者が、それぞれ専任で管理している。今後、5カ所に増えた時に、活用できないかどうか模索しているのが、「統括事業所」と呼ばれる管理手法である。

「同一の発電事業者」が、2時間以内に駆けつけ可能な「近隣地域」に、複数の特高連系再生可能エネルギー発電所を運営している場合を想定し、経済産業省が定めた管理手法である。複数の特高再エネ発電所の運用を直接統括する「統括事業所」を置き、複数の発電所を管理することが認められている。

これによって、第2種の技術者が1人で1カ所を専任するのではなく、例えば「3人で5カ所」といった管理が可能になる。もちろん、電気主任技術者による監督、管理の実効性などを確立した上でなければ認められない。

一般的に特高案件の多くは、この手法を採用したくても、「同一の発電事業者」という条件を満たせない。プロジェクトファンナンスを組成する都合から、発電所ごとに特定目的会社(SPC)を設立し、発電事業者とすることが多いためである。

しかし、三交不動産の場合、どの発電所も自社が発電事業者となっており、「同一の発電事業者」という基準を満たしている。しかも、発電所の立地は三重県内のみで近く、適用できるのではないかと考えている。

「統括事業所」による管理は、風力発電を想定して定められ、現在では太陽光発電所、水力発電所にも適用が認められている。

「統括事業所」では、特高送電線という、電力網に大規模な影響が及ぶ送電線に接続していながら、無人の状態が多いという風力や太陽光発電所の状況を考慮し、「感電や火災といった重大な事故を未然に防ぎ、かつ、万が一、生じた際にはできるだけ早く発見し、対処できる体制」の構築が重視されている。

平常時に十分な巡視や点検、検査・補修を可能とする体制の構築、異常発生時にいち早く検知、通報、対応できる体制が求められている。例えば、火災の検知用に、通常のメガソーラーとは異なる基準の監視カメラ網が必要になる。

三交不動産では、実際に「統括事業所」を適用した事例の調査や、経産省との協議を進め、今後、特高送電線に連系するメガソーラーがさらに増えてきた時期に、適用できないかどうか模索を始めている。

山林を活用、列間は約1mに

志摩市で2017年に稼働した二つの特高案件のうち、阿児町立神にある「志摩市阿児立神メガソーラー発電所」は、太陽光パネルの設置容量が約12.8MW、PCSの定格出力は10.5MWとなっている(図3)。2017年12月に、本格的に商業運転を開始した。

図3●出力約13MWの志摩市阿児立神メガソーラー発電所
2017年12月に稼働(出所:三交不動産)

 年間発電量は、一般家庭約4370世帯の消費電力に相当する、約1573万8000kWhを見込んでいる。

自社所有地と借地を合わせ、敷地面積は約14haで、元は山林だった。大きく三つの分散した区画からなる。太陽光パネルやPCSなどを並べた二つの区画と、特高送電線への連系設備を置いた区画である。

パネルの並んだ区画は、もともと起伏の大きかった土地で、大規模な造成によってほぼ平坦にした。あらかじめ切り土と盛り土の量を計算して同じにし、敷地外との残土の搬出入がないようにした。敷地をまたぐように通っている私道は、高さを変えたが、水平位置はそのままにすることで認められた(図4)。

図4●敷地をまたぐ道は高さを変えた
(出所:日経BP)

太陽光パネルの設置では、直近の同社のメガソーラーと同じように、杭基礎を使った。地中に電線を埋設している場所など、杭基礎を使えない場所では、コンクリートの置き基礎を採用した。

設置角は10度、前後の列間は約1mとした(図5)。これも、同社の直近の他の発電所と同じである。

図5●列間は約1m
これまでの経験を生かしたことの一つ(出所:日経BP)

 設置角を小さくした方が、北側に伸びる影の長さが短くなり、後ろの列との間隔を短くできる。三交不動産では、経験を積むにしたがってパネル列間を徐々に短くしてきた。

一方で、ここまで列間を詰めると、影が長くなる朝夕の時間帯や冬季には、最下段のパネルに影のかかる時間が生じる。それによる発電量の減少よりも、より多くの枚数のパネルを並べることによる全体の発電量の増加効果の方が大きいと考えている。

採用したCIS化合物型パネルは、部分的に影のかかった場合でも、結晶シリコン型に比べて発電量の低下度合いが少ないという特徴がある。アレイ間隔の短縮は、こうしたCIS型の利点を生かしている。

列間を狭める上で、千代田化工建設やソーラーフロンティアの協力を得て、影による発電量の減少度合いや、それによるパネル枚数の増加による効果などを綿密に検証してきた。

志摩市で稼働したもう一つの特高メガソーラーは、磯部町にある「志摩市磯部⽳川メガソーラー発電所」で、太陽光パネルの設置容量は14.008MWに対して、PCSの定格出力は11.25MWとなっている(図6)。2017年2月に稼働した。

図6●出力約14MWの志摩市磯部穴川メガソーラー発電所
2017年2月に稼働(出所:日経BP)

 年間発電量は、一般家庭約4770世帯の消費電力に相当する、約1717万9000kWhを見込んでいる。

こちらも元は山林で、その多くの部分を所有する企業グループが造成し、三交不動産が借りている。敷地面積は約14haとなっている。

二つのメガソーラーとも、売電単価は36円/kWh(税抜き)で、中部電力に売電している。

 

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