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【玄海再稼働】原発頼みの九電経営 「電力の安定供給もう関係ない」 4基稼働で年2000億円節減

2018年3月21日

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 九州電力玄海原発3、4号機(佐賀県玄海町)が再稼働すると、川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)と合わせ4基の原発が通常運転に戻る。節電の浸透などもあり電力需要が増えない中、再稼働を進めるのはなぜか-。九電にとって原発は、供給力確保よりも経営改善の“切り札”としての重みを増している。

九電の2016年度の販売電力量は786億キロワット時。3年連続で減少した。東京電力福島第1原発事故前の10年度と比べると、10・2%少ない。福島事故以降、節電や再生可能エネルギーの活用が広がり電力需要は抑制傾向にある。九電の供給力も15年の川内原発1、2号機再稼働で余裕が生じ、福島事故後自粛していたオール電化の営業を16年に再開した。

玄海3、4号機の再稼働を目指す理由について、瓜生道明社長は日本のエネルギー自給率の低さや再エネの出力が不安定な点を挙げ「それぞれの発電方式のいいところを組み合わせ、供給を賄う仕組みが重要」と説明する。だが、ある幹部は断言する。「もう電力の安定供給はあまり関係ない。経営をどう立て直すかという観点で、原発を一生懸命動かそうとしている」

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電力会社は原発停止後、安定供給に向け石油や液化天然ガス(LNG)火力発電の比率を高めたため、燃料費負担が増して経営が悪化。福島事故前、発電量の40%以上を原発で賄っていた九電も大打撃を受けた。11~15年度の5年間で純資産は約60%減り、逆に有利子負債は約53%増えた。

九電によると玄海3、4号機が再稼働すると燃料費負担は1カ月で1基約45億円減少。川内1、2号機と合わせ4基が動くと年間約2040億円が浮くという。

福島事故を踏まえて施行された新規制基準で、原発には追加の安全対策が何重にも求められるようになった。九電が投じる事業費は川内と玄海を合わせて九千数百億円。「原発を新設するより高い」(関係者)金額だが、燃料費削減効果を単純に積み上げると、5年程度で回収できる計算だ。

電力の小売り全面自由化で競争が激化する中、「電力販売そのものの採算性が悪化している」との危機感は強い。「原発は動かなければ負債が膨らむだけ。保有する以上は動かして、今後生き残るための原資を生まないといけない」と九電幹部は語る。

ただ、原発は再稼働後も訴訟による運転停止や、さらなる安全対策の追加を求められるリスクが付きまとう。かつて経営に関わった元役員は言う。「原発を取り巻く環境は大きく変わった。一民間事業者で続けるのは厳しくなっている」

=2018/03/20付 西日本新聞朝刊=

 

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